沖縄観光2次交通の利便性向上に向けた検討委(委員長・伊藤昌毅東大助教)は20日、県庁で有識者や交通・観光旅行の各事業者らを集め第4回委員会を開催した。
県は那覇空港からの交通手段であるバスやモノレール、船舶、レンタカーなどを「観光2次交通」と位置付け、情報や観光施設などの情報を一元管理、大手検索サイトでの検索を可能にし、データベース化する事業を進めている。この日はオープンデータの整備や効果検証事前事業、観光モデルルートなどが、事業請負企業から説明があった。
委員会では、公共交通機関のデータ運用について議論が行われた。請負企業からの報告では、ネット旅行サイトを運営する企業がウェブ上で、公共交通の活用を想定した観光ルートを提言し、アンケートで得たデータを明らかにした。
観光客にレンタカーなどを使わない沖縄観光の魅力を紹介するのが狙いで、八重山・宮古両諸島で合計12ルートを提案し、公共交通機関を利用した沖縄観光に好意的な結果が出たと説明があった。委員からは市バスだけでなく、観光バスを含めた選択を観光客ができるようにすべきとの意見が出た。
事務局である請負企業からは、データベース運用に必要な最低限の人員は同社だけで確保できるとの説明があったが、協賛企業から費用をもらう案も出た。参加した委員からは、「オープンデータは全国各地でも作られ、沖縄型を作り込まないと、投資の対象にならない」との指摘があり、協賛企業を募る案に否定的な意見が示された。データの公共性を理由に、県が予算を出して補助すべきとの意見も出た。