石垣市は、災害時に障害者や高齢者などの「要援護者」が避難したり、平常時には子どもたちと交流する拠点となる福祉避難所兼ふれあい交流施設「結(ゆ)い心(くくる)センター」の整備を進めている。八重山ミンサー柄をあしらったデザインの壁や、赤瓦が配された屋根などの建物が姿を現し始めた。建物は4月中旬完成予定で、供用開始は6月ごろを予定。市福祉総務課は「要援護者が安心して利用できる施設にしたい」と期待する。
現在、災害時に要援護者が避難できる施設は健康福祉センターだが、市は「多様な市民の特性に応じた避難生活が送れる拠点」として「結い心センター」の整備に着手した。場所は産業通り沿いの旧八重山農村青少年教育センター。
2階建てで、多目的ホールとして活用できる研修室、浴室、脱衣室、調理室、和室、図書室、多機能トイレ4カ所、備蓄庫などがある。要援護者は最大60人受け入れ可能。
大川幼稚園や大川公民館と近接しているため、平常時には要援護者が園児や地域住民と交流する場になる。市は「大きな鏡面のある部屋は踊りやダンスの稽古場、30畳の和室は子どもたちのひなまつりお茶会、研修室は各種団体や関係者の集会の場として活用が可能」(宮良亜子福祉部長)とする。福祉団体の事務所としての機能も持たせるよう配慮した。
敷地面積は1694平方㍍、建築面積は約1050平方㍍。駐車場は約20台分を確保した。建設地は当初、八重山農林高校の向かいを予定していたが、事業計画が進む中で変更された。事業費は建物だけで約3億8700万円。一括交付金を活用している。建物の工事に続き、今後は外構工事に入る。