竹富町は28日、竹富町物産観光振興公社(上勢頭保社長)から西表島のサトウキビ集中脱葉施設を購入する。当初は20年リースの計画だったが、購入の方針に転換。同町は町が購入することで、財政面での優遇や臨機応変な運用に期待を寄せている。
集中脱葉施設は2018年3月26日に完成。完成から1年で竹富町が購入することになる。同施設は同物産公社が建設した。延床面積は645平方㍍で、1時間あたりの脱葉処理能力は4・2㌧。竹富町は同施設を4億5505万8千円で購入する。
28日の購入後、29日には所有権移転が完了する。同施設の利用料は1㌧あたり2千円。純利益の1割は竹富町の収益となる。収益は竹富町西表島さとうきび生産振興基金条例に基づいて積み立て、修繕費などに充てられる。施設の指定管理は西表島サトウキビ生産組合が受ける。
リースから購入に転換する理由としては、リース料を担保する過疎・辺地債が2020年までの時限立法であることから、今後の財政措置が見込まれないこと。
産業振興課の小濵啓由課長は、「町が購入することで利息の支払いがなくなり、短期間の支払いとなることで町民負担の軽減が図られる」とメリットを話し、「権限が町に移るので臨機応変な運用もできる」と述べた。
西表島の集中脱葉施設は、サトウキビ産業の安定確保や生産農家の収穫作業の負担軽減を図るために設置。キビの葉ガラや不純物除去を行う施設となる。
同町は西表島以外の小浜島、波照間島でも集中脱葉施設の導入を検討している。