【視点】あすから10連休 「平成」から「令和」へ

 今年のゴールデンウィークは27日から5月6日まで、異例の10連休となる。新天皇即位、改元というビッグイベントを挟み、期間中、列島全体が祝賀ムードに包まれそうだ。心身ともにじっくりと休養する絶好の機会だが、万一のトラブルにも備え、無為に過ごさぬよう努めたい。
 官公庁や多くの企業が休みになるため、いざという時に困らぬよう、連休中のサービスの有無を事前にチェックしておくことが必要だ。特に医療機関の対応状況は、県のホームページなどで確認しておきたい。
 沖縄と全国各地を結ぶ航空各社の予約状況も例年に増して好調のようで、大勢の観光客が来県することが予想される。逆に沖縄から本土や海外に出る人も多いだろう。
 貴重な連休だからこそ、目標や計画を立てて、一日一日を有意義なものにしなくてはならない。行楽地で家族サービスをするのもいいし、帰省して親類や旧友に会うのも楽しい。多忙なために延び延びになっていた読書に取り組むのはどうか。いずれにせよ「充実した10日間だった」と満足して振り返ることができるようにしたい。
 大型連休だからこそ休めない職種もある。観光立県の沖縄は、サービス業などで特にそういう人も多いのではないか。観光業は書き入れどきであり、むしろ繁忙期に突入することが予想される。
 「働き方改革」が叫ばれているが、そうした職場でもできる限り代休の確保や残業の軽減に取り組み、オーバーワークの状態にならないよう配慮してほしい。
 仕事を休めない保護者にとって、連休中の保育は頭の痛い問題だ。石垣市の場合、公立保育施設は4月30日から3日間に限り、希望者を対象に合同保育を行う。一方、私立の保育施設はすべて休みになる。
 各保育施設によると、ただでさえ保育士不足が続いている状況で、連休中の対応は不可能に近いという。
 共働きは昔からあったが、かつての沖縄社会では三世代同居や、地域の人たちが子どもを見守る光景が珍しくなかった。近年は核家族化や各家庭の孤立化が著しい。親が子育てを保育施設に全面的に依存する現在のあり方でいいのか、再考する機会ではないか。
 今年の連休の最大の特徴は、何と言っても平成の終わりと令和の始まりを挟むことだ。去りゆく時代を懐かしみ、新たな時代に希望を託す人たちは多いはずだ。
 改元にちなんだイベントも各地で開催されるだろう。日本最西端の与那国島では、町が4月30日、「平成最後の夕日」を見るイベントを計画している。昨年には天皇、皇后両陛下の行幸啓もあり、改元に対する住民の思いもひとしおのはずだ。島の地理的条件を生かしたユニークなイベントと言える。
 平成の自分から令和の自分へと着実にステップアップする。そんな連休にしたい。

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