【視点】北朝鮮問題 遠い国の話か

 昨年4月、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と金委員長が南北首脳会談を実現させた際も、朝鮮半島に一気に平和が訪れたような錯覚が世界に広がった。金委員長と米韓首脳が相次いで会談を実現させる中、日本だけが「蚊帳の外」という論調が支配的だったが、現在はどうか。むしろ北朝鮮寄りの文大統領が日米から孤立し、当の北朝鮮からも冷遇され、八方塞がりの状況に陥っている。結局、文大統領も翁長氏も、北朝鮮の「平和ポーズ」に踊らされただけだったようだ。
 安倍首相が金委員長との会談に意欲を示したことで「首相が譲歩した」という見方もあるが、客観的に見れば追い詰められているのは金委員長のほうであり、必ずしも首相が譲歩したわけではないだろう。両者が相次いで日朝首脳会談に前向きな発言をしたということは、水面下である程度、話は進んでいるのではないか。
 北朝鮮との関係を考える上で、決して置き去りにできないのは拉致問題だ。拉致の可能性がある失踪は全国で発生しており、沖縄県警も、拉致の可能性が排除できない26人の情報をホームページで公開している。
 特定失踪者問題調査会は30日、石垣市で初めて拉致問題を考える集会を開催する。石垣市でも富川久子さんら、拉致の可能性がある失踪者が複数存在する。
 沖縄にとって、拉致や核・ミサイル問題は遠い国の話ではない。北朝鮮は現在進行形で、県民の平和や人権を脅かしている。

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