【視点】教えられる「優しさと勇敢さ」

 もう一つ、うれしいニュースがある。県紙報道によると、那覇市の高校3年生玉城弘次廊さん(17)はゴールデンウィーク中、旅行先の埼玉県越谷市で、偶然、民家の火災現場に遭遇。とっさの判断で、取り残された少女(16)を救うため、雨どいを伝って2階によじ登り、窓から少女を救出した。
 玉城さんに対し、越谷市は近く感謝状を贈呈するという。
 危険を顧みず、身を挺して他人の危機を救った玉城さんの勇敢さは称賛に値する。
 本土では沖縄の人というと、日焼けした、たくましい姿を連想しがちのようだ。歴史を振り返ると、かつての琉球王国時代、沖縄の人たちは荒海を乗り越え、東南アジア諸国、日本、朝鮮と活発に交易を行った。琉球の「大交易時代」とも呼ばれる。ロマンを求める冒険家の姿そのものだ。
 「琉球国は南海の勝地にして三韓の秀を鍾め、大明を以て輔車となし、日域を以て脣歯となす」という万国津梁の鐘の銘文は、大国に挟まれながらも堂々と渡り合い、独自の存在感を発揮した琉球王国の誇りを表す言葉として有名だ。
 沖縄の人たちは平和を愛するというイメージが定着しているが、もともとの県民性は、むしろ「武」という言葉がふさわしい。武器を持たず、素手で危機に立ち向かう空手は、今や一つの文化として沖縄から世界に発信されている。
 「令和」の新時代も、優しさと勇敢さを兼ね備えた沖縄県民でありたい。はつらつとした若者たちの姿は、そのことを教えてくれる。

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