玉城デニー知事は17日の定例記者会見で、有識者が知事に政策を提言する「万国津梁会議」の初会合を30日に開催すると発表した。5つの分科会のうち「人権・平和」の分野を論議する会合で、在沖米軍基地の整理縮小などを重点的に論議する。米軍普天間飛行場の辺野古移設問題などがテーマになると見られる。玉城知事は「県民の目に見える形で基地の負担軽減が求められている」と強調した。
委員はジョージワシントン大学のマイク・モチヅキ准教授、沖縄国際大法学部の野添文彬准教授、元外交官で東アジア共同体研究所の孫崎享氏、国際地政学研究所の柳沢協二氏、琉大人文社会学部講師の山本章子氏の5人。知事、副知事、知事公室長が人選した。今年度は4回程度開催される予定。
玉城知事は「委員には沖縄が置かれている厳しい状況や国際情勢の変化などを踏まえ、在日米軍の駐留のあり方、海兵隊の駐留の必要性を再検討する中で、在沖米軍基地の整理縮小に向けた議論をお願いしたい」と期待した。
会議の意見をどう扱うかについて「報告していただいた意見や提案は、県の施策に速やかに反映させたい」と述べた。日米地位協定の改定は次年度以降のテーマとなる。
辺野古移設について「民主主義を踏みにじり、地方自治を破壊するもので、ほかの自治体でも同じことが起こりかねない。東京でのシンポジム開催も含め、全国で辺野古新基地問題を考える取り組みを展開したい」と述べた。
「(県が策定した)21世紀ビジョンでは、平和の緩衝地帯の役割を果たす役割を目指している。7割近くの米軍基地が集中し続ける状況は、県民にとって到底許されるものではない」と訴えた。