【視点】台湾総統選、沖縄にも影響か

 台湾は沖縄との結びつきが歴史的にも長く、活発な人的交流が続く。日本周辺の国や地域の中では唯一「親日」のイメージが強く、蔡総統もたびたび、ツイッターに日本語で投稿している。
 逆に言えば台湾に中国寄りの政権が誕生すると、日台関係に緊張が走る恐れは十分にある。特に国民党の馬英九前政権時代、台湾は尖閣諸島の領有権主張を強めていた経緯があり、再び国民党政権となれば、沖縄にも影響が出る可能性は大きい。
 日本の漁業者のマグロ漁が大幅に制限された日台漁業協定(取り決め)を巡り、八重山の漁業者の間ではいまだに不満がくすぶっている。現在でも日台関係は、楽観視できる材料ばかりではない。
 ただ、特に民主党政権末期、「四面楚歌」のような状況だった日本外交は、安倍政権で、ようやく安定感を取り戻しつつある。
 一時期は「日本叩き」が激しかった中国メディアだが、最近、日本関係のニュースは抑制的な姿勢が目立つ。習氏の来日も決まり、日中関係が改善基調にあることは事実のようだ。
 北方領土を巡る日ロ交渉は暗礁に乗り上げているようにも見えるが、安倍晋三首相とプーチン大統領の個人的な関係は悪くない。拉致問題を抱える北朝鮮とも、ともかくも直接対話の気運が生まれている。
 日韓関係だけが出口なしの状況だが、これは韓国側の努力が必要だ。
 外交は国民の安心安全に直接的に関わってくる。周辺諸国のニュースにも、常に関心を持ち続けたい。

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