北朝鮮による日本人拉致の可能性のある失踪者(特定失踪者)についての調査を行なう特定失踪者問題調査会(荒木和博代表)は30日、大川公民館で「拉致問題を考える石垣の集い」を開く。八重山日報は29日、石垣島を訪れた荒木代表と、政府認定拉致被害者の増元るみ子さんの弟・増元照明氏に、日米連携による拉致事件解決と石垣集会の意義について聞いた。
―安倍晋三首相は拉致問題解決への日米連携を強化している。
増元 家族会と救う会は2000年から米国に働きかけてきた。武力も含めた米国の強い力が北朝鮮に多大な影響を及ぼすからだ。米国は01年の同時多発テロからテロとの戦いを始め、米国の「悪の枢軸」発言で北朝鮮はおびえていた。それが02年の拉致被害者の帰国に寄与した部分は多大にある。米国が怖くて日本に近づいたというのが事実だろう。北朝鮮が動くのは自分の体制が壊れるか、なくなるかという恐怖がある時。日本だけだと怖がらない。そういう点で米国との連携は強めていくべき。
荒木 日米の連携をアピールするのが一番。後は、日本がどこまでやるかという問題。米国任せではいけない。
―石垣の集いの意義は。
増元 「国民を守るシステム」が全くできあがっていなかったことが拉致頻発の原因。「日本を守るというのはどういうことか」を考えていただく機会になれば。
荒木 石垣市在住だった富川久子さんのケースは車の残し方など、ほかのケースと非常に類似する。また、一つのケースは孤立しておらず、周囲に拉致未遂などの情報があるもの。集会で実態を知ってもらい、富川さんに関する情報がほかにないか、そして周囲の情報がないかなど、情報収集も兼ねて行いたい。