【視点】「自分一人が幸せ」でいいのか

 兄弟姉妹の子どもたちが両親と楽しく食卓を囲む団らんの風景も、もはや日本では見られなくなってしまうのかも知れない。女性1人が生涯に産む子どもの推定人数を示す2018年の合計特出生率は1・42となり、3年連続で減少した。今や「子どもは一人だけ」という家庭が標準になってしまい、日本は本格的な人口減少社会に直面する。実効性ある少子化対策とともに、人口が減っても活力を維持できる仕組みの構築が急務だ。
 厚生労働省の人口動態統計によると、沖縄の合計特殊出生率は1・89で全国最高だった。出生数は1万5732人、死亡数は1万2157人で、出生数が死亡数を上回ったのも沖縄だけだ。しかし合計特殊出生率が2を下回っていることから、いずれは沖縄も人口減少社会へ突入することが避けられない。
 全国の出生数は91万8397人で過去最少だった。一方、死亡数は戦後最多で、出生数から死亡数を引いた人口の自然減は44万4085人と、過去最大になっている。
 結婚の件数も戦後最少で、初婚年齢は夫31・1歳、妻29・4歳。20代で結婚しない、結婚できない人が多数派だ。母親が40歳以上の子どものうち、第1子が占める割合は36・7%に達した。母親が40歳以上で第1子で産むことも、もはやまれなケースではなくなっているのだ。
 結婚が遅れれば子どもが減るのは当然で、晩婚化も少子化の大きな要因になっていると見るべきだろう。

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