東海大の山田吉彦教授は17日、那覇市内のホテルで開かれた沖縄「正論」友の会で講演した。日中の公船が対峙する尖閣諸島周辺の情勢について「問題があることを国民に伝えるのは地元行政の仕事だ。知事は沖縄の一部である石垣市の尖閣諸島が脅威にさらされる実態を伝えないといけない」と県に積極的な情報提供を求めた。
尖閣諸島近海の中国公船を「5000トンが1隻、3000トンが1隻から2隻、1500トンが1隻で、だいたい4隻体制だ。5000トンクラスが2隻の時もある」と分析。日本の海上保安庁の巡視船より大型であると指摘した。
船体も巡視船はアルミ合金だが、中国公船は鋼鉄製で「衝突したら巡視船は沈む。(中国公船に)近くを航行されるだけでも脅威」と懸念を示した。
ただ今後、中国側から紛争をしかける可能性は低く、巡視船との偶発的な事故を装って「日本に圧力をかけてくる」と推測した。
その上で「沿岸部の監視や密漁対策は各都道府県警に任せ、海保を再編し日本版コーストガード(沿岸警備隊)を設立すべき」と訴えた。海上自衛隊などと一体的な運用ができるよう組織再編を進めるべきとも提言し、憲法改正を求めた。
経済振興策として沖縄近海にある熱水鉱床の開発拠点を置くようアドバイス。ただ有望な海域である久米島沖は中国が狙っており「調査船は久米島沖にも来ている」と危機感を示した。