【視点】いつまで対立を続けるのか

 根底にいがみ合いを抱えながら表面上は友好を保つことは、外交ではありふれた話であり、現に日中、日韓関係がそのような状況だと見ることができる。しかし、友好関係とは首脳同士が笑顔で握手することではなく、双方が相手に対する敵対的な行為をやめることで成立するはずだ。
 韓国は対日関係で歴史問題を外交と切り離す「ツートラック外交」を試みたが、慰安婦や徴用工問題で挑発行為を続けた結果、日本側の信頼を失った。日中関係も「正常な軌道に戻った」と称されるが、尖閣諸島周辺の中国公船が消えない限り、日本国民の不信感は払拭されない。
 玉城知事は前県政時代から続く訴訟の乱発をそのまま継承しただけでなく、辺野古移設を巡って政府を批判する全国キャラバンまで開始した。ここまで来ると、いくら沖縄が政府との協力関係をアピールしても、険悪な関係から脱却することは到底期待できない。
 こうした状況が前県政と玉城知事の任期を足した8年も続き、その間に沖縄振興計画の改定を迎えるということであれば、事態は予想以上に深刻だ。
 辺野古移設の是非に関しては、日米歴代政権のたび重なる合意確認と、辺野古沿岸埋め立てに関する司法判断で、実質的に決着はついた。賛成にせよ反対にせよ、これ以上辺野古を論議しても水掛け論という段階に入った。県の徹底抗戦で辺野古移設を止められるという幻想に、もう終止符を打たなくてはならない。
 玉城知事には、あとは安倍政権との喧嘩を続けるか、止めるかというシンプルな政治決断が残されているだけだ。
 玉城知事は紛れもなく前者を選んだ。知事の支持基盤を考えれば当然の選択のように受け止められているが、実際には、今後数十年の沖縄を決しかねない重大な賭けである。

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