【青年弁論大会】本土と沖縄が紡いできた歴史

[敢闘賞]齋藤仁貴

 いま沖縄と本土の関係はかつてないほど、危機的状況を迎えています。本土の人々と沖縄にいる人々の間には価値観のズレが大きく広がろうとしています。基地問題、沖縄・本土との経済格差問題など、問題は複雑化し、本土との間だけではなく、沖縄内部でも分断に向けて加速し続けています。果たしてそれでよいのでしょうか。我々には共に紡(つむ)いできた「歴史」があります。
 まず科学的に見ましょう。2018年に国立遺伝学研究所が発表した遺伝子研究によると本土の人々と沖縄の人々は父系の遺伝子において縄文人の遺伝を持っており、他の東アジアの人々とは違うことが判明しました。つまり我々のご先祖様は同じで、一番近い関係であると言えます。文化的な面では沖縄にも神話がありますが、この神話には国産みや神産み、日本神話におけるイザナミやイザナキに相当する夫婦神など類似性があると指摘されており、何かしらの影響を与えていたのではないかと考えられます。
 日本史で登場したのは「続日本記」によると和銅7年(西暦714年)に石垣島・久米島の人々が朝廷に貢ぎ物を渡したと記載されています。ここから本土の人々と交流が始まります。その後琉球王国を経て、明治維新後に、沖縄県となり、名実共に日本の一員となりました。しかし大きな不幸が襲い掛かります。大東亜戦争による米軍の沖縄侵攻です。日本側は約20万人の方が亡くなりました。牛島満大将、太田実中将とはじめとする65000余柱の県外英霊の方、また島田叡知事など沖縄を必死で護ろうとしていた方々がいました。しかし力及ばず沖縄は米国に支配される結果となりました。

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