石垣島への陸上自衛隊配備計画を巡り、中山義隆市長は24日の市議会一般質問で、地対艦誘導弾の弾薬庫について「火気厳禁の場所なので、火災に巻き込まれることは基本的にない」との認識を示した。野党は「楽観的過ぎる」などと批判した。
地対艦誘導弾が火災に巻き込まれた際、爆発するまでの時間が2分で、その際は1キロ以上離れるなどの対応を求めていると今月4日付の県紙「琉球新報」が報じた。陸自の教科書(教範)に掲載されているとしている。
一般質問で長浜信夫氏がこの件を取り上げ、中山市長の見解を求めた。中山市長は「詳細を知らないといけないので確認した。自衛隊の教科書の一部を抜き出して記事にして、明らかに意図的に作り上げられた報道なので、新聞記者の取材に『コメントはできない』と話した」と答えた。
市長によると、防衛省側からは、教科書に掲載されている事例について、通常の火災を想定したものではないと説明があった。有事に地対艦誘導弾を運用している際、周辺が火災に巻き込まれる場合を想定しており「前提条件が全く違う」と強調した。
長浜氏は「ミサイルの搬入搬出の時に(火災が)起こる可能性はある。そういう事態を想定しての報道だ」と追及。中山市長は「保管庫が火災に巻き込まれることは基本的にはない。搬入搬出の際に火災に巻き込まれる可能性もないと考えている」と強調した。
長浜氏は納得せず、配備予定地周辺に学校が存在することを指摘し「防衛省は隊員向けに内部情報は出すが、住民には全く話さない。隠ぺい体質だ。疑念が払しょくされない」と疑問視した。
防衛省と市が進めている配備予定地周辺のカンムリワシ生息調査も「不十分だ」と糾弾。市教委の下地傑文化財課長は「専門家は工事には支障ないと言っている。私たちはまた聞きなので、どういったニュアンスで支障がないと言ったかは答えられない」と述べるにとどめた。詳細な調査の内容について野底由紀子市民保健部長も「現時点で資料は持ち合わせていない」とした。