石垣島への陸上自衛隊配備に向け、駐屯地建設工事が進む平得大俣地区の旧ゴルフ場前で、市森林区域にあった反対派の横断幕が24日午前、撤去された。これで市管轄部分での推進、反対両派の横断幕とのぼりは全て撤去された。ただ、「県有地と市有地の境界線が明確でない」ことを理由に反対派は県有地にある横断幕と工事監視用のビニールハウスを撤去しておらず、県は現在、境界線を明確にするための作業を進めている。
旧ゴルフ場前では一時、推進、反対両派ののぼりや横断幕が乱立した状態で、景観を損ねていた。市は、このうち市有地に設置されたものを道路法や森林法に違反する可能性があるとして撤去させる方針を固め、交渉を重ねていた。
反対派は8日までに、旧ゴルフ場入口の市有地からのぼりを撤去していたが、横断幕2枚は撤去していなかった。工事状況の監視活動を行なっている、農業を営む上原正光さんは「ゴルフ場の看板やモニュメントが撤去されてないのは不公平だ」と不満を募らせていた。
上原さんは24日の取材で、「ジュマールの看板の跡がまだ残っているので完全に撤去してほしい。原状回復を求めている」と強調。道路法や森林法に違反していることについては、「県有地も市有地も市民のもの。確かに法に抵触するが、反対の意思表示としてやっている」と話した。
県有地について上原さんは、沖縄県八重山土木事務所職員が現場調査に訪れた5日、県有地や市有地の境界線が明確でないことを訴えた。同事務所維持管理班は24日午後、取材に対し「境界を明確にする必要はあるので、所内の書類などを確認している」と話した。