観光客の急増で狭隘(きょうあい)化が指摘される新石垣空港の国内線ターミナル増改築の着手が、2021年以降になる可能性が高いことが分かった。安里行雄建設部長が26日の石垣市議会一般質問で、21年夏の供用開始を目指す国際線ターミナル増改築終了後に取り組む考えを示した。一方、中山義隆市長は「国際線が終わって国内線の増改築を始めると(完成は)4、5年先になってしまう。国際線が増築中であっても、国内線の増築に向けた動きを加速させてもらいたい」と述べ、石垣空港ターミナル社などに早期の着手を強く要望する考えを示した。
新空港の乗降客数は昨年、約255万7千人に達し、開港以来増加傾向にある。
国内線ターミナルの増改築は我喜屋隆次氏が要望した。安里部長は「増改築は必要。施設の運用、敷地の確保の面からも、国際線ターミナル増改築の終了後に取り組む」と述べた。
中山市長は「(国内線ターミナルで)狭かった、疲れたとなると、八重山のいい思い出が台無しになってしまう。八重山観光の一番の肝(きも)なので、空港ターミナルの施設については滑走路の延長と合わせて強く要求していく」と強調した。
現施設での当面の対応について安里部長は「航空会社からチェックインロビーが狭いという要請がある。既存施設で拡張可能な場所の確保を検討している」と説明。施設利用者からは利用客の集中する時間帯はチェックインや保安検査に要する時間が長い、食事時間に座席がないなどの意見が出ているという。
我喜屋氏は、国際線ターミナルの工事着手が遅れていることを指摘。国際線ターミナル増改築の発注をいったん白紙に戻して、新たな国内線ターミナルを建設し、旧国内線ターミナルを国際線ターミナルとして使用することを提案した。
安里部長は「現時点では検討されていない」と否定した。