石垣市議会(平良秀之議長)は28日の本会議で、石垣島への陸上自衛隊配備に対する賛否を市民に問うため、仲間均氏が動議で提案した議会の解散決議を採決した。賛成12、反対9で賛成多数になったものの「地方公共団体の議会の解散に関する特例法」が規定する特別多数には達せず、否決した。仲間氏は取材に対し「尖閣諸島の現状を考えた時、自衛隊は必要だ」と述べ、議会を解散し、出直し市議選で市民に配備の是非を問う必要性を強調した。陸自配備に反対する野党を牽制する狙いがあったものと見られる。
この日の一般質問で仲間氏は、野党が「住民投票を求める1万4千筆の重みを11人の議員が否定するのか」と与党側を批判していることを挙げ「議会を解散し、自衛隊配備の是非を問う選挙をして、もう一度この席に戻ればいい」と挑発。議会の解散決議を動議で提案した。後上里厚司氏が賛成し、動議は成立した。
解散決議は一般質問終了後の本会議で直ちに採決され、野党は9人全員が賛成、与党からも仲間氏のほか後上里氏、箕底用一氏の両氏が賛成に回った。
しかし、特例法は解散決議の成立に議員数の4分の3以上の出席、その5分の4以上の賛成の特別多数を求めており、賛成者数は石垣市議会の特別多数である17人に達しなかった。
閉会後の取材に対し野党連絡協議会長の宮良操氏は「自衛隊配備の賛否を問う住民投票条例案が否決され、残された手段は議会解散しかないと判断した。身を挺(てい)して住民の信を問う覚悟で臨んだ」と強調。長浜信夫氏は「与党は住民に信を問うことを恐れているのか」と批判した。
与党「自由民主石垣」会派長の砥板芳行氏は、陸自配備の賛否を問うことについて「議会解散の理由には当たらない」と述べた。