「第18回竹富町デンサ節大会」(主催・竹富町民俗芸能連合保存会)が29日夕、西表島上原の中野わいわいホールで開かれた。各島の小・中学校、公民館、役場の代表と一般公募で選ばれた計26人が、デンサ節の調べに合わせ朗々と歌い上げた。最優秀賞には一般の部で黒島公民館代表・島仲亜希さん(34)、子どもの部で登野城小学校代表・小池美寿々(みすず)さん(19)が輝いた。
西表島上原を発祥とするデンサ節は1769年に宮良里賢が作詞作曲した教訓歌。今年で誕生から250年の節目となる。
島仲さんは祖父の形見の三線を携えて3度目の出場。「子育てが落ち着き、職場の人や周りの支えに恵まれて出場できた」と感謝。「今年で最後と思っていた。この喜びを祖父に報告し、祖父から学んだデンサ節を黒島の子どもたちに伝えたい」と笑顔で話した。
4年生の小池さんは昨年優秀賞で悔しい思いをした。「昨年の自分の歌を聞き直して、おばあちゃん(八重山古典音楽安室流協和会の河上美奈子師範)と毎日30分練習した」と振り返り「とてもうれしい」と喜んだ。
冨里保雄会長は主催者あいさつで「デンサ節は沖縄三大教訓歌の1つ。子々孫々まで歌い継がれ、保存されるよう祈念する」と強調。宮良里賢子孫の第12代・宮良里芳氏(79)は「今後とも大会が継続されることを願う」と祈願した。西大舛髙旬町長と仲田森和教育長のあいさつもあった。
大会では上原婦人会の舞踊と上原小学校児童らのデンサ節が披露され、大会に花を添えた。上原小の教師、児童らが昨年度に製作した絵本『宮良里賢物語』が宮良里芳氏にプレゼントされた。
また昨年10月の第1回東京デンサ節大会のチャンピオン・岡田佳子(よしこ)さんもゲスト出演した。
最優秀賞以外の入賞者は次の皆さん。
【子どもの部】
優秀賞=鈴木虹(西表中)
優良賞=高松俊巴(古見小)
努力賞=本比田一朗(波照間小)
奨励賞=吉本輝星(小浜中)
大浜来実(平真小)、狩俣心羽(竹富小)
加勢本光(白浜小)、東小浜尚眞(鳩間小)
【一般の部】
優秀賞=上盛政秀(小浜公民館)
優良賞=中井カンナ(竹富町役場)
努力賞=本盛楓佳(一般公募)
奨励賞=狩俣幸奈(住吉公民館)