米軍普天間飛行場の辺野古移設を巡る県民投票を実現させたメンバーらでつくる「新しい提案実行委員会」(安里長従代表)は17日、那覇水道局庁舎で「県民投票とその後―私たちは何をすべきか、何をもとめるべきか―」をテーマにシンポジウムを開催した。2月24日の投開票日から間もなく半年を迎え、訴訟を巡る議論や報道の役割などの観点から議論を深めた。
第一部では元辺野古県民投票の会代表の元山仁士郎氏が県民投票までの経緯を振り返り「明確な民意を示すことができた」と改めて意義を主張。自身の県民投票後の講演会などの活動も報告した。
安里代表は、全国自治体に発送した辺野古移設に反対する陳情が30議会で採択・可決されたことを報告。同会の目的は「沖縄の人たちの自由の獲得を目指すもの」と説き「沖縄には自由の格差という人権問題が存在する」と強調した。
県の訴訟弁護団の加藤裕弁護士も登壇した。
第2部では県紙2紙と全国紙の毎日新聞那覇支局の記者も加わり辺野古移設や県民投票について討論。沖縄タイムスの福元大輔記者は「沖縄問題の本質がぼかされ、都合の良い事実だけを(政府が)国民向けに発信している気がする。そこは違うと主張しないといけない」と強調した。
琉球新報の中村万里子記者は「若者と高齢者など世代間の対話がまだまだ足りない。住民投票で示した意志を私たちは沖縄のために今後どうしていくのか考えないといけない」と述べた。
毎日新聞の遠藤孝康記者は「日米安保の関係で、移設先が本当に沖縄なのかという議論も仕掛けていくべき」と訴えた。
元山氏は「石垣市の住民投票がくすぶっている。石垣の問題も県の問題として監視し、続ける必要がある」と付け加えた。