石垣島などで展開中の日米共同訓練「レゾリュート・ドラゴン23」を巡り、陸上自衛隊の山根寿一・西部方面総監(陸将)は24日、米第3海兵機動展開部隊のジェームズ・ビアマン司令官(中将)と石垣駐屯地で共同記者会見をした。「米海兵隊との信頼関係の構築と、共同対処能力の向上が着実に進んでいることが実感できた」と日米連携をアピール。陸自の輸送機V22オスプレイによる新石垣空港の使用に関しては「訓練が国民の安全、安心につながる」と理解を求めた。
共同訓練中、石垣駐屯地には約80人の米兵が入り、日米共同の指揮所が設置された。陸自は24日、駐屯地内に搬入された米軍の対空レーダーを報道陣に公開した。
記者会見で山根総監は、共同訓練の成果について「訓練の内容を従来の戦術レベルから方面隊の作戦レベルに拡大した」と説明。日米で共同の兵站(へいたん)調整所などを設置し、島しょ間での輸送訓練に取り組んだことも明らかにした。
陸自オスプレイの空港使用に関しては、県が安全性への懸念を理由に自粛を要請している。山根総監は「さまざまな意見があることも承知している」とした上で「輸送、機動展開の観点で、航続距離、スピードなどの面から極めて有益な装備だ」と指摘。新石垣空港の使用が「運用の実効性を高めることにつながる」と説明した。
日本の安全保障環境については、中国や北朝鮮の軍事力増強を念頭に「周辺には強大な軍事力を有する国家が集中している。極めて厳しい安全保障環境だ」と危機感を示した。
ビアマン司令官は「私たちは共にいることで一番強くなれる。両国がインド太平洋地域の平和、自由、安全のために協力するというメッセージを、敵対する国に送ろうと努めている。訓練をサポートしてくれた石垣の皆さんに感謝している」と述べた。
「レゾリュート・ドラゴン23」は陸自と米海兵隊の共同訓練。14日から31日まで、沖縄から北海道に至る全国各地で展開されている。