参院選は消費増税の是非も争点だ。社会保障の強化や財政健全化に向け10月の消費増税を決めた自民、公明に対し、野党各党は経済への悪影響などを懸念して増税反対を訴え、激しい論戦を展開している。
少子高齢化が進み、年金制度問題などで社会保障制度への不安が広がる中で、与党は確実な財源として消費増税を選択した。いわば将来への投資として国民全体で痛みを分け合う施策と言えるが、各家庭の家計を直撃するデメリットも大きい。
自民はキャッシュレス化推進に向けたポイント還元実施などの対策、国内総生産(GDP)600兆円経済の実現などを訴える。
公明は軽減税率制度の導入による痛税感の緩和、家計支援としてプレミア付き商品券事業実施などを掲げる。
増税によって影響を受ける人たちへの手当をセットで推進し、家計への影響を最小限にとどめようという政策だ。
与党の主張は一見堅実に見えるが、理想的なのは増税ではなく、経済の活性化によって税収を増やすことだ。ポイント還元や軽減税率は一般の人たちには仕組みが分かりにくく、うまく「節税」できる人とそうでない人の格差を生む可能性があり、不公平感が残らないか。