【視点】消費税、各党の政策吟味を

 野党の対案はどうか。立憲民主は最低賃金を5年以内に1300円へ引き上げることや、金融所得への課税、法人税見直しなどを訴える。
 国民民主は、軽減税率やポイント還元は一部の人だけが得をすると疑問視。子育て支援拡充のため「子ども国債」発行などを求める。
 共産は大企業と富裕層へさらなる負担を求め、消費税以外の方法で7兆5千億円の財源を確保する方針。
 日本維新は民間消費を上向かせる経済政策、規制緩和、消費税の地方税化や「地方共有税」創設を挙げる。
 社民は膨張する防衛費などの歳出を見直し、最低賃金は全国一律で千円へ引き上げ、1500円を目指す。
 れいわ新撰組は、消費税そのものの廃止を公約に盛り込んだ。
 野党の主張は耳当たりがいいが、最低賃金の引き上げは企業の人件費を圧迫し、雇用情勢を悪化させる恐れはないのか。新たな財源を大企業や防衛費に振り向けるのは、経済活動の委縮や安全保障の弱体化につながらないか。
 与野党の政策とも一長一短がある。有権者はそれぞれのメリット、デメリットを見極めた上で、現時点でベターな選択を模索するほかないようだ。
 沖縄選挙区では消費増税に対し、与党候補の安里繁信氏が賛成、野党候補の高良鉄美氏が反対と、明確に姿勢が分かれる。
 県内経済は観光産業を中心に好調だが、状況によっては消費増税が冷や水を浴びせかねない。生活必需品の一部には軽減税率が適用されるが、企業側は、生活必需品に限らず、価格の上昇にかかわらず必要とされる商品を提供する努力が必要だ。単に増税を批判するだけでなく、自らの創意工夫や技術革新で乗り切る気概も求められている。
 そうした企業は、多くが地方に根を張る中小零細規模であり、地域経済を実質的に下支えしている。中小零細企業をいかに効率よく支援するかが政治に与えられた役割でもある。

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