2019年度博物館体験講座「民具・わらぞうり作り」が20日、八重山博物館(浅田浩館長)で開かれた。参加した市民9人は、豊年祭などの行事で藁草履(わらぞうり)を手掛ける宮良信和さんの指導の下、地元の稲藁を使い、自らの足に合わせた草履作りに集中した。
参加者らは藁を柔らかくする叩き作業から開始。藁が折れないよう霧吹きで水分を足しながら、「ひきそ」と呼ばれる芯となる2本の縄に編み込んでいった。
「藁草履作りがちょっと気になった」として初めて参加した、平真小6年の下地史也君(11)は堂に入った姿で黙々と手順をこなした。
絵を書くことや、細かな作業が好きな下地君は「将来は建築士になりたい」と話した。
川平在住の髙嶺みほ子さんと智子さんは親子で参加。11月の「神願い(カンネガイ)」で女性が使用する藁草履を自分たちで作り、担当する女性3人にプレゼントするという。
みほ子さんは「草履の幅を調整するのが難しかった」、智子さんは「『藁使い』にならないと上手く出来ないと実感」と笑顔で話した。
同講座は郷土の民具作りを体験することで、郷土の民俗・歴史に理解を深め、次世代への継承も図ろうと毎年開催され、今回で13回目。