2008年11月以降運休状態が続いている石垣―波照間航空路線運航の早期再開を目指す竹富町は6日午後、航空運送事業準備会社の㈱スカイサンタアビエーション(佐和田寿代表取締役社長)と路線復活に向けた包括的連携協定を締結し、21年9月に運用の自由度が高い不定期チャーターによる路線再開を目指すと発表した。22年9月には西表島など、空港のない地域での運航も視野に入れる。
再開に向けてはこれまで、18年12月に運営体制の構築と事業実績を積むためのスタートとしてデモンストレーションフライトを実施。今後は21年9月に航空運送事業許可(陸上限定)を取得するため、来月、大阪航空局航空振興課に事業計画書を提出する。
運送事業許可取得までの期間には、20年9月に航空機使用事業許可を得て、整備拠点となる下地島空港でのパイロット訓練事業を開始。21年3月に航空運送事業用の使用機材のリース契約を結ぶ。
機材は小型の双発水陸両用機2機を予定。座席数は9~17席。不定期チャーターにすることで運用頻度を上げ、採算を取る考え。
竹富町は事業資金の確保に向け、沖縄振興開発金融公庫や内閣府沖縄総合事務局に出資・融資のアプローチをかけるほか、窓口業務や波照間空港を盛り上げるイベントなどの面でも支援していく。
事業資金は3億円ほど。地元企業で資金母体を募り、県内で1~1・5億円を確保し、残りは公庫などを想定している。
佐和田社長は「これまでは事業者都合で運航が開始・中止され、島民が犠牲に。離島の航空路線はインフラ同様。町と共に『地元のための航空事業』を作るという日本初のモデルになるはず」と期待。
「メインである石垣―波照間を永続させるため、柔軟な不定期チャーターで下地島空港からのダイレクトな運航も展開したい。また普段の移動手段以外にも、緊急物資の輸送や介護などでも活用できれば」と意欲を見せた。
西大舛髙旬町長は「協定を機に、スクラムを組みながら実現に向け強力に推進する」と述べた。