【視点】きょう終戦の日 平和のバトンを

 現在の日本にとって最大の脅威は中国の軍拡と北朝鮮の核・ミサイルだ。中国は太平洋進出の野心が顕著で、八重山の尖閣諸島周辺では中国公船が事実上の常駐状態にある。
 来春には習近平国家主席の国賓訪日が計画されるなど、日中関係は改善基調にあるが、今のままでは、尖閣諸島問題は将来の世代への重い宿題となる。石垣島への自衛隊配備計画は、将来の布石として着実に推進すべきだ。
 民主化運動の一環として展開されている香港のデモは、21世紀の現在でさえ、世界的には民主主義が当然の権利として確立されていない現実を示している。来年に総統選を控える台湾も中国の圧力下にあり、民主主義の危機を迎えていると言える。地理的に近い沖縄にとって他人事ではない。
 日本は自由主義陣営の一員として、基本的人権などの価値観を世界に打ち立てる責任を持つ。香港、台湾に対する中国の高圧的な態度を傍観すべきではない。終戦の日は、自由と民主主義の価値観を日本が再認識すべき日でもある。
 厚生労働省によると、追悼式に参列予定の戦没者の遺族は70代以上が8割弱を占め、最高齢が97歳、最年少は4歳。高齢化に伴い、父母の参列は11年から途絶え、20年前には777人が参列していた妻も今年の参列予定者は6人にとどまる。
 戦争体験者が年々減少する中で、戦争の記憶をいかに継承していくかも大きな課題だ。
 中国、韓国では、日本はもっぱら戦争の加害者として認識されている。両国では政治的な意図を持った反日教育が長年積み重なり、現在、日本との友好関係に大きな困難をもたらしていることが明確になった。
 日本が従来のように、両国のいわれなき非難を甘受しているだけでは、むしろ将来の紛争の種をまいているようなものだ。両国に歴史の直視を求め、毅然として反論する姿勢を持つべきだ。

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