中国、計画的に領海侵入か 尖閣周辺、昨年より増加

今年5月24日、尖閣諸島周辺海域で入り乱れる日本の巡視船と中国公船(中央)=仲間均市議提供

 中国の海上警備を担う中国海警局が、石垣市の尖閣諸島周辺の日本領海に公船「海警」を侵入させる頻度を増している。今年は既に昨年の年間侵入日数を超え、8月14日時点で計22日となった。軍最高指導機関の中央軍事委員会が昨年、海警を傘下に収めて影響力を強め、侵入計画を着実に遂行させている可能性がある。
 中国公船は大型化しており、領海外側にある接続水域では6月14日まで過去最長となる連続64日間も航行した。

 その後も中国公船は台風時以外は連日の航行を継続。領海警備に当たる海上保安庁の巡視船に対抗し、事実上の常駐体制を構築している。
 中国当局が当初、尖閣海域で「日本の実効支配を打破する」と公言した段階からさらに攻勢を強め、中国自身による「実効支配」を内外にアピールする狙いがあると見られる。
 海保によると、中国公船が昨年、尖閣周辺の領海に侵入した日数は計19日で月0~2回の頻度だった。昨年12月は2012年9月の日本政府による尖閣国有化後、初めてゼロとなった。
 ところが尖閣の領有権を主張する習近平(しゅう・きんぺい)指導部は今年に入り領海侵入を月2~4回の頻度に増やした。日本政府筋は、海警が中央軍事委の指揮下にある武装警察に編入され「今年1月から年間計画に沿った領海侵入の徹底を指示されているのではないか」と指摘した。
 中国との関係改善に努める安倍晋三政権は来春、習国家主席を国賓として招待する準備を進めているが、尖閣周辺での中国公船の活動が沈静化する気配はない。7月、4年ぶりに発表した国防白書「新時代の中国国防」では「釣魚島(尖閣諸島の中国名)と付属の島々は、中国固有の領土である」「(中国公船の航行は)法律による国家主権の行使だ」と明記した。
 中国の日本研究者は「中国は主権、領土に関しては日本に譲れない」と強調した。

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