石垣市手話言語条例検討委員会委嘱状交付式と第1回検討委員会が23日、石垣市立図書館で開かれ、手話言語条例策定に向けた検討がスタートした。同条例は、ろう者との円滑な意思疎通できる社会を目指すもの。市議会3月定例会に条例案を上程する計画で進める。
手話言語条例は手話を言語として位置付け、聴覚障がい者が円滑に意思疎通を図ることができる地域社会を実現させることが目的。
同条例は全国24都道府県の2区149市19町の計194自治体が制定。県内では沖縄県、浦添市、南風原町が制定している。2006年、国連で障害者権利条約が採決され、「手話は言語」だと認められた。
委嘱状交付式で中山義隆市長は、「石垣市らしい手話言語条例が作れますよう、たくさんの意見を頂きたい」とあいさつ。委員に委嘱状交付し、八重山特別支援学校校長の大田幸司委員長に諮問した。
事務局によると石垣市内のろう者の課題としては、▽視覚的に訴える情報等の整備が少ない▽意思疎通支援事業に携わる手話通訳者が増えない▽多くのろう者が観光に訪れるが、観光ガイドの話がわからない―などが挙げられた。また、日本手話研究所元研究員の高塚稔氏が、手話の歴史などを振り返るなど講話した。
今後の流れとしては、11月20日の第2回検討委員会で条例素案を検討。第3回委員会で条例素案を市長に答申する。1月中旬にパブリックコメントを実施し、市の例規審議委員会を経て3月議会に上程する。
委員長以外の委員は次の皆さん(敬称略)。
▽副委員長=飯田実男(通訳活動者)、本村順子(当事者団体)▽委員=与那国明弘(支援機関)、島尻寛雄(同)、川井裕美(支援事業者)、砂川理野(支援団体)、後藤一彌(市民代表)、宮良亜子(福祉分野)、伊盛加寿美(保育分野)、比屋根邦子(教育分野)、髙谷恵子(団体代表・雇用)、西玉得りみ(同・観光)