沖縄・奄美の世界自然遺産登録を目指す、国、県、村の行政関係機関は23日、県庁で密猟の防止を目的とした国頭村内の林道で夜間通行止めの実証実験を行うと記者発表した。
現在も密猟と思われる情報が多く寄せられ、昨年はやんばるから密猟されたリュウキュウヤマガメ60個体が香港で発見され、密猟者が摘発されるなどの事例が発生。貴重な動植物保護の観点から実証実験が議論されてきた。
対象エリアは沖縄本島北部の同村内の林道で、26日から10月21日までの約2カ月間、午後7時から午前5時まで20カ所にゲートを設け、車輌及び歩行者を通行止めとする。ゲート箇所には監視カメラも設置する。
今回はあくもで実証実験として、侵入した場合などの罰則規定はないが、住民の意見や監視カメラのデータなどの検証結果を踏まえ、密猟パトロールの強化や監視カメラの活用等を引き続き検討していく方針。
環境省沖縄奄美自然環境事務所の東岡礼治所長は「生物多様性の保全上、大切な地域。あらゆる場面で監視を強化し、違法な採取をされないよう取り組り組んでいきたい」と意欲を見せた。
同村の宮城久和村長は「2011年から村内で密猟対策として林道パトロール、16年から夜間通行止めなど村としても取り組んできた。地元自治体として今後も国や県などの関係機関と連携しながら、世界自然遺産登録に向けた機運を高めていきたい」と強調した。