国語科を中心に理論や実践研究をしている八重山結の会(大浜公三枝会長)が25日午後、八重山教育事務所で、筑波大学附属小学校教諭の青木伸生氏を招き、夏季研修会の「国語セミナー」を開いた。八重山郡内3市町から約40人の現役教職員らが参加し、新学習指導要領にそった全体像を把握する授業展開の方法論を学び、国語指導の力を蓄えた。
青木氏は新学習指導要領に触れ、「構造と内容を把握し、精査・解釈をし、考えの形成をし、共有するという、読解での学習過程が初めて具体的に示された」と指摘。
「これまでは文章の精査・解釈をやってきたが、これからは『構造と内容の把握』という文章の全体像を捉え、全体を見渡す力をつける必要がある」と説明した。
その上で文章構造を把握するための方法の1つとして、意味段落を捉えられる具体例の数や文章の流れを作る年号の数を全て書き出す「数える」こと、全体像を把握してから精査・解釈を行う方法として、一番重要な人物や段落を「選択」し焦点化することを挙げた。
「『数える・選ぶ』をすると児童同士の違いがはっきりする。そのズレ、食い違いをもとに対話的に学ぶことができる」と助言した。
説明文指導では要旨・要点・要約の違いを解説。物語文の読解指導では新美南吉「ごんぎつね」を題材に、物語の読みを作る手掛かり(伏線)について、「伏線は作品を横に流れている。場面や段落毎に縦に区切ることも大切だが、それでは伏線をつなぎ合わせ、文章全体を見渡す力が育たない。板書で構造を見える形にすることが大切」と強調した。
大浜会長は「構造と内容の把握から始まる授業作りの仕方が勉強になった。これまでの授業作りを反省した」と感想を述べた。