三世代 楽しく方言継承 竹富で教室、60人参加

竹富島に伝わる昔話「星砂の話」をイメージして大きな絵を完成させた=竹富島まちなみ館

 八重山地方の方言は危機言語として継承が課題になっているが、竹富島でもテードゥンムニ(竹富方言)を理解する子育て世代が減っている。このような中、竹富小中PTA(根原哲也会長)の文化部主催による「ことばと絵のワークショップ、夏のテードゥンムニ教室」が開かれ、児童生徒や地域住民ら約60人が集まった。

 ワークショップでは竹富島に伝わる昔話「星砂の話」の絵本が使われた。この絵本は島民の内盛スミさん(故人)から3年ほどかけて聞き取りをして作ったもの。制作に関わった国立国語研究所の山田真寛准教授、中川奈津子助教とイラストレーター・デザイナーの山本史さんが講師を務め、内盛正聖公民館長がテードゥンムニで読み聞かせをした。また、昔話のイメージを大きな絵の作品にしたり、製本体験では二言語表記の「星砂の話」絵本を作って持ち帰るなど、楽しい夏休みの思い出づくりになった。
 同校PTAは今年から講師の高齢化で夏休みの早朝テードゥンムニ教室開催を断念、ワークショップ型の企画や、歌やラジオ体操にテードゥンムニを活用するなど、活動の方法や内容を工夫している。またテードゥンムニ大会での児童生徒の発表内容は日常会話中心にした。
 山田准教授は「沖永良部島では、保護者がSNSのやり取りに方言を使うなど、子どもに教えるにはまず親からという意識。竹富島でも三世代で楽しくテードゥンムニを使って遊んでほしい」とアドバイスした。保護者で同部員の水野暁子さんは「山田さんが4つの言語であいさつした時に、子どもたちの目が輝いた。いろんな言葉が話せると面白い。子どもたちもテードゥンムニに興味を持ってくれたらうれしい」と教室の盛況を喜んだ。  (隅田賢通信員)

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