離島の知恵 世界に発信 サミット開幕、きょう分科会 石垣市 

アイランダーサミットの意義を語り合う各国の有識者=3日午後、フサキビーチリゾート

 世界各国の離島から有識者約50人が集まり、環境など地球規模の問題を考える「アイランダーサミット石垣」(主催・石垣市)が3日から4日間の日程で、市内のフサキビーチリゾートホテルで始まった。4日に12の分科会が開かれ、参加者が議論を深める。5日には市民参加のイベントも行われる。
 サミットには日本のほか、米国ハワイ州カウアイ島、イタリアのサルディーニャ島、インドネシアのバリ島から有識者が参加した。会場には約150人が詰め掛けた。

 開会イベントで中山義隆市長は、石垣島で観光客が増加する一方、自然環境の保全と開発のバランスが課題になっている現状を報告。「それぞれの島の皆さんとアイデアを話し合う中で、島の発展を見出すことができれば」と期待した。来賓の宮腰光寛前沖縄担当相もあいさつした。
 各国の有識者がサミットの意義を語る「キーノートセッション」があり、サミット総合プロデューサーの渡邊賢一氏を司会に、各国の有識者が意見交換。カウアイ郡長のデュレック・S・K・カワカミ氏は「離島は、環境など地球全体の問題の影響を最初に受ける」と訴えた。
 インドネシアのメディアプロデューサー、サプトラ・スリウィジャヤさんは「石垣から小さなムーブメントを起こし、日本や世界に広げることができれば」と期待。石垣市新庁舎の設計を手掛けた建築家の隈研吾氏は「世界のいろいろな所から人が集まったことは画期的。人の目を意識することで(島は)磨かれる」と激励した。
 サルディーニ州セウーロ町長のエンリコ・サルバトーレ・ムルジア氏、UNWTО駐日事務所代表の本保芳明氏も意見を述べた。
 4日の分科会は「教育が育む島の次世代育成」「SDGs行政ミッション」「地球にやさしい島の開発の在り方」などがテーマ。12分科会のうち6分科会はオンラインで中継する。
 5日はビーチクリーン、アロハフェスティバル、地産地消交流会などの関連イベントが予定されている。6日に閉会セレモニーを行う。
 市長ら登壇者の送迎車両には株式会社ユーグレナが提供する次世代バイオディーゼル燃料が使用された。

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