医療を守る最後の砦に 災害拠点など市議との対話に期待 八重山病院 新設1周年記念講演

講演に耳を傾ける来場者ら。左下は篠﨑裕子院長=13日午後、八重山病院2階講堂

 八重山病院(篠﨑裕子院長)は13日午後、新病院開設1周年記念講演会を同院2階講堂で開き、篠﨑院長が「新八重山病院1年の歩みと今後の課題」と題して講演した。地域住民の医療を守る最後の砦、災害拠点病院の役割などに言及。平良秀之石垣市議会議長などとも意見交換し、「市議らが医療に関して対話する場を設けると快諾してくれた。市にはさまざまな協力をお願いしたい」と話した。
 ヘリポートの移転について「病院は海抜30メートルだが、緊急時にヘリポートになる中央運動公園は海抜20メートル、移動先の空港も浸水する場所」と強調。「ストレッチャーでの搬送は旅客機では6席分必要。入院患者などの移動手段はどうするのか。別ルートが必要では」と疑問を呈した。

 吉嶺厚生医療部長は災害拠点病院について「沖縄で言うと怒られるかもしれないが、10年後20年後はヘリではなく、垂直離着陸できるオスプレイに変わるだろう。オスプレイが降りられることも想定した方がいい」と来場者に呼び掛けた。
 人材確保に奔走する篠﨑院長は、「10年以上当院で務めた救急医が、ヘリポートを院近隣に作らない市の対応の悪さを理由に辞めた。子どもの進学で離れる人も多いが、こういう形で離れる医師もいる」と語気を強めた。
 同院全職員527人のうち今年度新たに採用した職員は172人(33%)にのぼる。小児科医は来年度から1人になるという。
 講演では八重山医療圏の課題として▽地域開業医の高齢化▽医療従事者の取り合い―などを挙げ、「外部委託業務には外国人スタッフも多数入ってくる。その教育をどうするのかという問題も出てくる」と述べた。
 また、新病院と旧病院を経済面で比較。1カ月あたりの入院収益3億465万円(4234万円増)、延べ患者数6694人(236人増)、入院診療1日単価4万5516円(4867円増)と環境改善などの成果がある一方、総面積が1.4倍となった新病院の費用も増加しており、「効率的な病院経営が求められている」と指摘した。
 講演後は来場者らから意見が出され、▽院内のキャッシュレス化▽石垣に進学校の必要性―などが指摘された。

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