【視点】条例10年、活用で飲酒運転根絶を

 保険会社に勤務していた辻野氏は交通事故の被害者や加害者と接する機会が多く「お金は要らないから子どもを返して」と号泣する遺族や「事故を起こして人生が狂った」と苦悩する加害者らを間近で見てきた。とりわけ飲酒運転が悲惨な事故につながる現実を痛感し、県議として飲酒運転根絶条例の制定に情熱を注いだ。
 県当局は当初「従来の交通安全の取り組みで十分なので、条例制定の必要はない」と消極的な姿勢だったという。このため議員提案になったが、県警は条例制定を歓迎。石垣市出身で当時交通部調査官だった大城辰男氏らが、積極的に制定作業に協力した。
 県議会では条例案を検討する小委員会が設置された。事故の被害者、加害者、アルコール依存症の当事者らを参考人招致し、10回にわたる審議を経て、本会議で条例が可決された。辻野氏自身も「相当なエネルギーを使った」と当時を振り返っている。
 そうした関係者の尽力を経て制定された17条の条例が順守されていれば、飲酒運転は大きく減少したはずだ。起こらずに済んだ悲惨な事故も多かったはずである。
 しかし飲酒運転が後を絶たない現状を見れば、せっかくの条例に魂が入らないままになっていると思わざるを得ない。条例の存在すら知らない県民も多いかも知れない。
 条例を制定するまでは政治家や関係機関の仕事だが、それをいかに活用するかは県民の意識にかかってくる。条例制定者の熱意に報いるためにも、私たちに何ができるか考えたい。
 石垣市では9月28日、同条例制定10年を記念した「飲酒運転をしない させない 許さない八重山地区大会」が開催され、各界の代表の意見発表などがあった。飲酒運転根絶郡民宣言も決議した。こうした取り組みを沖縄全体に広げたい。

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