防衛省自衛隊沖縄地方協力本部石垣出張所(反橋寛之所長)は25日午後、西表島の大原中学校(垣花正人校長、全生徒30人)体育館で「防災教育講話」を行った。全校生徒は反橋所長ら4人の自衛官から、止血方法やロープの結び方など、災害時に役立つ知識と技術を実習形式で学んだ。同校での自衛隊による防災教育講話は初めて。
生徒らは講話で、同中周辺地域で想定される津波の高さや、非常持ち出し品の準備の重要性、災害発生時の行動の手順、避難場所の概要などを動画やパワーポイントで共有。
実習ではタオルを使った止血法や、けが人を運ぶための「両手搬送」「担架搬送」などの方法、ロープの結び方として、2本のロープを結ぶ「もやい結び」、人を引き上げる命綱を作る「命綱結び」を、自衛官に教わりながら練習した。
最後に2人の生徒が自衛官とともに地震発生時の避難を想定し、止血法やロープの結び方を場面に合わせて実演した。コントの要素もあり、会場からは笑いも起こった。
実演に参加した横目和寿君(2年)は「災害時は1人ではなく多人数で行動するように言われたが、その重要性を実感した。教えてもらわなければ1人で行動していたと思う」と実習の意義をかみしめた。
大城虎次郎君(1年)は「ロープの結び方や止血方法は島で暮らしていると必要なこともあるはず。覚えられてよかった」と喜んだ。
生徒を代表して西大舛実音(みいね)さん(3年)が「救助の仕方などは知らなかった。体験しながらできて良い機会になった」とお礼を述べた。
反橋所長は「1人ひとりが防災意識をもつことが重要。今後も自衛隊として教育を通して手助けしていきたい」と話した。
石垣出張所は昨年11月に与那国島の久部良中学校で初めて防災教育講話を実施し、今回で2校目。講話などの問い合わせは、℡82・4942(石垣出張所)。