海上保安大学校の練習船「こじま」(呉海上保安部所属)が25日、国内航海実習の一環として2年ぶりに石垣港に入港。これを受け、第十一管区海上保安本部石垣海上保安部(花井宏泰部長)は26日、市内3高校の学生らを対象に同船見学会を実施。八重山高校生3人、八重山商工高校生6人が参加した。
生徒らは操舵室をはじめ、一般公開ではめったに入れない機関室、船員寝室などを見学。実習生からの説明に熱心に耳を傾けた。
業務説明では女性職員活躍推進への取り組みや自然災害への対応などについて説明を受けた。
また日本海にある日本の排他的経済水域の好漁場「大和堆(やまとたい)」への北朝鮮船侵入の現状や、2001年12月に奄美沖で北朝鮮工作船が海保巡視船にロケットランチャーで攻撃した「九州南西海域工作船事件」、尖閣諸島周辺で領海侵入を繰り返している、巨大化し増加する中国船の現状も学んだ。
八商工の機械電気科2年の新城空輝(くうき)君は「以前に巡視船は見学したが、今回は機関室などを見ることができた。他の船にも乗りたい」と話した。
同科2年の平良寛翔君と情報技術科2年の砂川卓磨君は機関室や操舵室が最も印象に残った。平良君は「海保の船には初めて乗ったが、旅客船とは全然違う」、砂川君は「操舵室のレーダーなどが興味深かった」と喜んだ。
こじまは1993年に就役。世界的にもトップレベルの大型練習船で、総トン数2950トン、全長115メートル、幅14メートル、速力約18ノット(時速33㌔)。毎年行われる世界一周の遠洋航海では100日間、約2万6000海里を航海し、他国各機関とも交流している。
国内航海実習は船の運航や整備などを学ぶために行われ、同大学校第3学年50人が乗船。9月はじめに広島県呉市を発ち、本州を時計回りに一周して石垣港に入港。27日に呉に向けて出航する。