今年7月、旧石器時代に大陸から日本列島に渡ってきた祖先の大航海の一部を再現することに成功した「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」の報告会「海を渡ってきた最初の八重山人~丸木舟の実験航海からわかったこと~」(主催・石垣ロータリークラブ)が30日午後2時から、アートホテル石垣島で開かれる。入場無料。
報告会ではプロジェクトの代表を務めた国立科学博物館の海部陽介人類研究部・人類史研究グループ長と、漕ぎ手として台湾東部海岸の烏石鼻から約200キロ離れた与那国島まで、約45時間にも及ぶ航路を「漕破」した村松稔氏が講演する。
22日午後、同クラブの橋本孝来会長と大田次男幹事が八重山日報社を訪れ、報告会をPRした。
橋本会長は「竹富、与那国の子どもも参加しやすい時間帯。若い世代が現実的な人生選択をする時代だが、我々は旧石器時代に八重山にたどり着いた人類の子孫。ワクワクするような話を聞き、冒険心やチャレンジが伝われば」と期待。
大田幹事は「日本人がどこから来たのか。八重山の人にもっと関心をもってほしい。再現達成のニュースで感じた疑問・質問を投げかける絶好のチャンス」と呼び掛けた。
再現プロジェクトは2016年2月に立ち上がり、草束舟、竹筏舟での実験・研究が重ねられた。それらの利点と限界から丸木舟の可能性が検証された。
全長7・5メートルの丸木舟「スギメ丸」の漕ぎ手は日本人・台湾人を中心にカヤックのガイドなどの経験豊富な男女5人を選出。旧石器時代に存在しなかった地図・コンパス・時計などは持たなかった。出発地の海岸から与那国島は見えないため星や風を頼りに方角を割り出し、航海を見事成功させた。