【視点】IR事件 沖縄進出望んだ中国企業

 秋元容疑者と共に逮捕された500ドットコム側の紺野正彦容疑者は沖縄でコンサルティング関連会社を設立し、シンポジウムを取り仕切った。仲里勝憲容疑者は元浦添市議の経歴を持つ。
 沖縄が事件の舞台の一つとなった可能性が浮上していることになる。
 ただ県政は翁長雄志前知事時代からIRには冷淡で、誘致を検討しない方針を明確にしており、玉城デニー知事もこの姿勢を引き継いでいる。秋元容疑者自身が危ぐしていたように、現状では県民にIR誘致の気運は盛り上がっていない。事件の影響で、IR実現はさらに困難になる可能性がある。
 石垣市でもIR誘致の可能性を模索するよう求める声があったが、ほぼ立ち消えになっている状況だ。
 500ドットコムが実際に参入を目指した北海道留寿都村は事件を受け「村のイメージダウンにつながったことは大変衝撃的で、強い憤りを感じている」とコメントした。沖縄で地域振興のため、真摯にIR誘致に取り組んできた人たちの思いも同じだろう。
 日本では「カジノ」という言葉のイメージがあまり芳しくなく、海外の富裕層を取り込むツールとして活用可能であることや、さまざまな依存症対策が検討されていることはあまり知られていない。
 県や自治体がカジノの検討すら拒否する一方で、似たような施設であるパチンコ店は乱立している。皮肉な現象と言えるかも知れない。

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