【視点】知事の訪韓 何の意味があるのか

 沖縄を訪れる韓国人観光客が急減していることを受け、玉城デニー知事は30日から訪韓し、経済団体、旅行業団体、航空会社、地方自治体の関係者と面談する。
 韓国人の訪日キャンセルは日本の輸出管理強化を直接的な要因として全国的に起きている現象であり、沖縄の知事が訪韓したところでどうこうなるものではない。今の時期に訪韓することに何の意味があるのか疑わざるを得ない。
 知事が9月に韓国向けに発した友好のメッセージや、沖縄観光コンベンションビューローが韓国で開催した商談会にもかかわらず、沖縄を訪れる韓国客の減少に歯止めは掛かっていない。
 県が発表した9月の韓国客数は8400人で、前年比で約8割の大幅減となった。県は訪日自粛の動きに加え、中韓関係改善で中国への渡航需要が回復したこと、ベトナム人気の高まりなど、渡航先の多様化が進んでいることも背景にあると分析している。10月も同じ傾向が続くとの見通しも明らかにしている。
 韓国では現在、日本に旅行することを他人に言うこともはばかられる雰囲気があるという。知事が何を根拠に、自身が訪韓すれば事態が改善すると考えているのか理解できない。訪韓の費用は、沖縄観光を支える中核である国内客への還元や、欧米客などの新規開拓に充てたほうが生産的ではないか。
 知事の外遊は今月2度目で、14日からは米軍普天間飛行場の辺野古移設反対を訴えるため訪米したばかりだ。知事は記者会見で「多くの方々に沖縄の実情と私の考えをじかに伝えられた」と強調した。だが、米側の反応が総じて冷たかったことは多数のメディアで報道されている。

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