【視点】ウクライナ情勢、尖閣にも影響

 ロシアのプーチン大統領は、親ロシア派武装勢力が実効支配するウクライナ東部2地域の独立を承認し、平和維持を名目に軍を派遣する考えを示した。ウクライナの主権を無視した侵略行為であり、実力行使で国境線を変更する試みに等しい。国際社会は蛮行として強く非難すべきだ。
 ウクライナ問題が日本、とりわけ沖縄にとって他人事でないのは、日本も軍事大国化した中国との間で尖閣諸島問題を抱えているからだ。
 ウクライナへの侵略行為でロシアが実利を得ることになれば、中国も遠からず、尖閣諸島や台湾に対して同様の行動に出ることは容易に予想できる。現に中国はロシアの行動を擁護する姿勢を鮮明にしている。
 林芳正外相はウクライナ情勢に関し「欧州の安全保障問題にとどまるものではない」と指摘した。
 領土を巡る対立は武力ではなく、外交的に解決するという戦後の国際秩序を大国自身がなし崩しにしようとしている。県民も重大な関心を持って事態を注視すべきだろう。
 バイデン米大統領は、プーチン大統領がウクライナ侵攻を決断していると指摘し、国際社会に対し、ロシアの動きを阻止するよう呼び掛けてきた。
 プーチン氏は戦争する意図はないと表明してきたが「平和維持」を名目に軍を出動させるという狡猾な手段に出た。
 ロシアには前歴がある。2014年のクリミア侵攻と併合だ。今回の軍事行動もクリミア侵攻の手法を強く想起させる。
 プーチン氏は昨年発表した論文で、ロシアとウクライナが歴史的に一体であり、同一の民族であると主張した。今回の「侵攻」に向けた伏線だったと見て間違いないだろう。
 ロシアとウクライナの関係は、そのまま中国と台湾の関係と二重写しになる。中国もかねがね台湾を中国領の一部と主張し、台湾側に独立の動きがあれば武力行使を排除しないと公言してきた。
 表向きは適当な口実をつくって露骨な「侵攻」を避けながら、実態としては武力で国境線を変更するロシアの手法を、中国も固唾(かたず)をのんで見守っているに違いない。ウクライナの運命は明日の台湾、明日の沖縄の運命にもなりかねない。
 中国は尖閣諸島を台湾の一部と規定しており、台湾有事はそのまま尖閣有事、沖縄有事に転化する性質を持っている。尖閣諸島を行政区域に抱える石垣市にとって、中国による台湾への圧力は、尖閣への圧力と同様、到底容認できない。
 バイデン氏はロシアへ対抗措置を取る考えを示した。岸田文雄首相は「一連のロシアの行為はウクライナの主権と領土の一体性を侵害するもので、認められない」と述べた。日本も基本的に米国と足並みをそろえる必要があるのは当然だ。

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