太陽の前を月が横切り、太陽が欠けて見える部分日食が26日午後に観測された。国内では1月以来。本州を中心に広く雲がかかる条件の悪い日だったが、沖縄県内では三日月のようになった太陽がはっきり見えた。石垣市では、太陽が国内で最大となる4割近く欠けた。
部分日食は午後1時50分ごろから4時半ごろまで。石垣市の観察会では、雲間から太陽がのぞくと約60人の参加者が沸いた。会社を休んで冬休み中の子ども4人と訪れた藤田理江(38)は「見られて良かった。子どもにも天体に興味を持ってほしい」と話した。
美ら星ガイドアドバイザーの宮地竹史さんは、ビーチホテルサンシャイン(新川)近くの浜辺で部分日食を観察。「雲の合間に欠けている様子が見えて感動的だった。日食めがねを持っていたので、通りがかった観光客から『何をしているの』と聞かれ、部分日食だと知ってメールで連絡したりしていた」と振り返った。
午後3時25分、石垣市大川で撮影した伊舎堂浩明さん(58)は「30分ほど雲がかかっていたが、やっと撮影できた。不思議な光景だった」と話した。
東京などでは欠けたまま地平線に沈む「日入帯食」となったが、雲が厚く、観測は難しかった。
北谷町では午後2時すぎから始まり、3時半ごろには最も大きく欠けた状態に。町内の駐車場で日食グラスをかざしていた男性の集団が「すげえ」と歓声を上げた。
国立天文台によると、国内で次に見られる部分日食は来年6月21日で、太陽の欠け方は今回より大きい。太陽の外周がリング状に輝く金環日食は2030年、太陽が完全に月に隠れる皆既日食は35年を待つことになる。
日食は地域によって見え方が変わり、今回はアラビア半島から東南アジア、グアムにかけて金環日食となった。
宮地さんによると、6月の部分日食の際は、石垣市では太陽の9割近くが欠けるという。