【視点】自衛隊中東派遣 当然の判断

 一方、韓国の同盟国である米国は強く派兵を要求しており、韓国は米・イラン間で板挟みに陥った形だ。
 韓国が輸入する原油の70%がホルムズ海峡を通過しており、中東情勢が国益に直結することは日本と同じだが、外交の拙劣さが際立つ。韓国の場合、対日、対北、対中、対米でも外交の行き詰まりが顕著だ。理念のみにとらわれて現実を無視し、行き当たりばったりの外交を展開している姿は反面教師である。
 ただ、自衛隊の派遣に対しては日本国内でも野党が反対している。P3Cが出発した那覇市でも基地反対派が「米国の戦争に加担するな」「世論が形成されていない中での派兵だ」などと抗議した。
 しかし、派遣は米国に追従するためではなく、第一に日本の船舶を守ることが目的だ。憲法で武力行使が認められない中、防衛省設置法の「調査・研究」に基づくギリギリの選択肢だった。本来、この点を改善しなければ船舶の防衛はできず、現状の派遣では不十分なほどだ。
 中東が一触即発の状況になっていることは事実だが、国民の生命や財産を守るため、政府が何もしないということは有り得ない。
 沖縄で言えば米軍普天間飛行場の辺野古移設には宜野湾市民の危険除去、石垣島の自衛隊配備には中国の脅威への対処という背景がある。
 政府として現時点で可能な政策を実行に移すか、不可能な政策の検討に時間を費やすか選択に迫られた結果、移設や配備を推進している今がある。具体的な対案もなく反対を叫ぶのは、無為無策の政府を求めることと変わらない。

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