国内外で人や家畜の感染症が発生していることを受け、離島の八重山でも関係機関が石垣空港や港湾で、水際の侵入防止に向けた警戒を強めている。中国、台湾、香港は25日の春節(旧正月)に合わせた大型連休が来週後半から始まり、八重山でも中華圏からの観光客が増加する可能性がある。
中国湖北省武漢市では新型肺炎の患者が相次いだ。新型肺炎の侵入を防止するため、那覇検疫所石垣出張所は空港や港湾で、入国者に発熱者がいないか確認している。
発熱者に対しては渡航歴を確認し、マスクの着用、病院での早期受診などを促している。空港には注意喚起のポスターを掲示した。
ほかに通常の感染症予防対策として、入国者の体温を感知するサーモグラフィを使った発熱検査を行っている。
春節の連休(1月24~30日)期間中、クルーズ船は台湾基隆から「スーパースターアクエリアス」が25、30日に石垣港に入港する。石垣空港では、香港エクスプレスが25、28日に直行便を運航する。中国本土からのクルーズ船入港や直行便の運航はないが、台湾、香港から通常より多い観光客が石垣島を訪れる可能性がある。
沖縄本島では豚コレラ(CSF)が発生した。人にはうつらず、感染した肉を食べても問題はないが、ウイルスが侵入すると養豚業者には死活問題になりかねない。
石垣市は平常時から、空港、港湾に到着客の靴底を消毒するマットを設置している。市農林水産部によると、豚コレラの発生以降、消毒マットにしみこませる薬液の量を増やし、マットが乾燥しないよう気を付けているという。
八重山家畜保健衛生所によると、豚コレラ発生による移動制限区域を除き、沖縄本島と石垣島間での豚の移動は可能。ただ感染リスクが伴うため、衛生管理を厳重化する必要があり、業者が豚を購入する場合などは事前に同衛生所に相談するよう呼び掛けている。