【視点】観光客1千万人 足元に迫るリスク

 県が発表した2019年の入域観光客数は1016万3900人で前年を31万6200人(3.2%)上回って過去最高になり、暦年で初めて一千万人を突破した。観光を産業の柱に据え、順調に成長する県経済の姿が見えるような数字だ。しかし足元では、世界的な新型肺炎の感染拡大などの危機も迫っている。観光関係者にとどまらず、県民が一様にリスク管理の意識を高めるべき時だ。
 入域観光客の内訳を見ると、国内客は723万3900人で、外国客は293万人で、いずれも過去最高を記録した。国内客は約7割、外国客は約3割である。
 国内客は前年比4.2%増で、大都市圏と沖縄を結ぶ路線の新規就航が主な要因になった。外国客は同0.9%増で、台湾、中国からのクルーズ船寄港数が増えた。

 今年は那覇空港第2滑走路の供用開始、東京五輪・パラリンピック開催による訪日需要の喚起が期待されたが、のっけから水を差したのが新型肺炎の流行だ。感染地の中心となっている中国は27日から、海外への団体旅行を禁止した。沖縄には19年、中国から75万人余の観光客が訪れており、影響は必至だ。
 沖縄にとっては予想外の事態である。ただ沖縄に感染者が上陸し、次々と患者が発生する事態になれば、観光地としての風評被害は計り知れない。国内では既に4例目の発生が確認されている。
 中国から個人での入国は今後も続く。新型肺炎の発生地である中国武漢市や、その周辺の渡航歴がある外国人の入国を、一時的に停止する措置も必要ではないか。
 観光業界としては、今年は中国客の「数」を当てにすることをやめ、そのぶん、国内からの誘客など、よりリスクの低い方向へ努力を振り向けるべきだろう。

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