沖縄は15日、復帰49年を迎えた。来年の復帰半世紀がいよいよ目前に近づいてきたという感じだ。
玉城デニー知事は復帰49年に当たってコメントを出し、復帰後、社会資本の整備が進み、観光・リゾート産業や情報通信関連産業が成長したことを評価。一方で課題として米軍基地の過重負担をはじめ、全国に比べ低い県民所得、子どもの貧困などを挙げた。
復帰後、沖縄の発展はめざましい。国境離島というと本来は「辺境の地」でしかないはずだが、現在、八重山に住んでいて、本土との生活水準に絶望的な格差が存在すると考える人はいないだろう。
教育、医療、福祉などは一定の水準が保たれており、水道、下水道、道路といった社会資本も本土や沖縄本島に比べてそう見劣りしない。インターネットの普及で情報格差の解消も進んだ。離島の離島である八重山でさえそうなのだから、復帰後、3次にわたる政府の沖縄振興開発計画は着実な成果を上げたと言えるだろう。
もちろん、地元で地域づくりに生涯を捧げ、国や県との困難な交渉を実らせ、粉骨砕身した先人たちの功績も忘れてはならない。来年の復帰年は、我々の先輩たちの偉業を振り返る大きな節目にもなるだろう。
本島に広大な米軍基地が残されたのは県民にとって痛恨事だったが、東西冷戦という歴史的な事情の中でやむを得ない面もあった。現在は近隣の軍事大国中国の台頭という新たな歴史的局面を迎えている。「本土による沖縄差別」といった一面的な批判だけで、復帰後の沖縄や米軍基地問題を語ることはできない。