【視点】報道への「圧力」と自浄作用

 権力の監視機能を持つと言われる報道だが、それだけに政治家とは常に緊張関係になりやすい。
 立憲民主党の安住淳国対委員長らが4日、衆院予算委員会の質疑内容などを伝えた同日付の新聞各紙のコピーに「すばらしい!」「くず0点」「ギリギリセーフ」といった論評を書き添え、国会内の同党などの衆院会派控室のドアに張り出した。「論外」と書かれて各紙より下に掲示された新聞もあった。
 安倍晋三首相を批判する記事には花丸マークを付け、自民党議員を大きく取り上げた記事には「出入り禁止」などと書かれたという。
 コピーは約30~40分で撤去され、安住氏は記者団に「調子に乗って冗談のつもりで感情の思うままに書いてしまった。伝え方が悪かった。反省している」と謝罪した。

 一般の読者が記事を批評するのは完全に自由だが、政治家がやると「報道への圧力」と受け止められやすい。しかも安住氏は元NHK記者であり、財務大臣などの要職経験者でもある。野党全体の信頼性をも貶める軽率な行動はまさに「自爆」レベルであり、弁護の余地はない。
 ただ、今回の件は別としても、メディアも自らへの批判を正面から受け止め、改善すべき点はないか、改めて反省する謙虚さはほしい。
 中国や北朝鮮とは異なり、民主主義国家である日本では、今やメディアが政治的圧力に屈せず、堂々と報道する伝統が確立している。現に、巷(ちまた)には安倍政権を糾弾するニュースがあふれており、政権を擁護する論調はむしろ少数派だ。
 もちろん民主主義国家であっても、自由な報道が危機にさらされているケースはある。
 メディアを名指しで批判するトランプ米大統領の振る舞いは有名だが、ジョンソン英首相も政権に批判的な一部記者を政府の記者会見から締め出し、一部メディアへの出演を固辞するなど「トランプ化」が懸念されている。

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