肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの八重山観光への影響が、国内客にも及び始めている。航空各社によると、石垣空港発着の航空国内線の搭乗率が2月28日を機に急落したことが分かった。同日は新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大で航空各社がキャンセル料の支払い免除を始めた日で、予約取り消しが増えたのが理由。空港内の飲食、土産店も売り上げが落ち込み、悲鳴を上げている。
日本トランスオーシャン航空(JTA)は東京など3路線で1日往復20便の国内線を運航している。同社八重山営業所によると、2月28日~3月3日の平均搭乗率は40%後半で、60%前半だった前年同期より10数%下がった。27日までの2月平均(60%台)に比べても大きく落ちている。
日本航空と全日空は新型肺炎の感染拡大でグループ会社を含めて2月28日~3月19日の搭乗限定でキャンセル料のほか、便変更の手数料の支払いを免除する対応策を打ち出した。
JTA八重山営業所は「新型肺炎が気になってもキャンセル料の支払いを嫌い、予約取り消しをためらっていた人も、支払い免除となったことで一気にキャンセルに動いたのだろう」と見ている。
石垣空港は航空5社が7路線1日往復65便の国内線を運航している。搭乗率の落ち込みは各社とも似た傾向で、感染の広がりで搭乗率が下落傾向にある中、キャンセル料の支払い免除で拍車が掛かった。国際線も2月22日から香港便が運休し、「泣き面にハチ」の状態になっている。
空港内では計23の飲食、土産店が営業している。飲食店「海鮮・島料理源」はここ数日間で客数は通常の5割、売り上げは6割に減ったという。前島邦直店長(28)は「感染が早く落ち着いてくれるのを願うばかりだ」と嘆く。
土産店「市特産品販売センター」も4~5割下がった。店員男性(28)は「家族連れを中心に少なくなった。お客さんが来てもらっての商売なので手の打ちようがない」と話している。