【視点】陸自「配備後」見据えたまちづくりを

 石垣市議会は2日の本会議で、陸上自衛隊配備予定地の市有地を沖縄防衛局に売却する議案を与党の賛成多数で可決した。防衛局による駐屯地建設予定地の取得率は民有地、市有地合わせて9割に達することになり、陸自配備の実現が確定的な状況になった。
 2015年に防衛省の若宮健嗣副大臣(当時)が中山義隆市長に配備を正式打診して以来、本格的に配備計画が始動したが、実際には2010年ごろには、配備計画が蓋然性の高い話として取り沙汰されていた。当時から考えれば長い時間かかったが、反対派や周辺住民の意見聴取も進め、慎重な手続きを踏まえて現在に至ったということでもある。

 過去3回の市長選や市議選では、いずれも何らかの形で配備の是非が問われており、結果として配備に前向きな勢力が勝利した。反対派からは住民投票を求める声が根強いが、市民が安全保障政策に対する意思を表示する機会としては、選挙で必要十分ということができる。
 石垣市議会では、与党会派「未来」が市有地売却への賛否を保留したことで、議案の行方が一時、不透明になったが、最終的に同会派は「苦渋の決断」として賛成した。
 与党は退席した公明党議員1人を除き11人全員が賛成、野党は革新系だけでなく保守系議員も含め9人全員が反対し、与野党で対応が割れた。島を二分する難題ではあったが、市議会が大局的な判断を下したことは評価できる。
 防衛局は、取得済みの旧民有地で既に用地造成工事を進めており、新年度以降は隊庁舎などの施設整備に入る。駐屯地の開設時期はまだ明らかにされていないが、そう遠くない時期になるはずであり、石垣市としても、配備後を見据えたまちづくりを構想しなくてはならない。

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