石垣市は19日、陸上自衛隊の駐屯地建設予定地となっている平得大俣地区の市有地約14ヘクタールについて、沖縄防衛局と売買契約を締結した。残り9ヘクタールは月内に賃貸借契約を締結する予定で調整を進めている。沖縄防衛局には駐屯地建設予定地の9割を取得することになり、今後、陸自配備計画が加速する。
市有地の売却額は4億1770万円で、売却の承認を求める議案は市議会3月定例会で賛成多数で可決された。貸し付け部分の賃貸料は年約855万円とする方向だが、市によると賃貸期間などの調整が続いており、今回は売買契約だけを先行する形になったという。
沖縄防衛局は市有地に隣接する民有地を既に取得しており、旧ゴルフ場の部分で隊庁舎、車両整備場、弾薬庫などを整備する予定。昨年3月からは用地造成工事が始まっている。
配備予定の部隊は、有事の際に初動を担当する警備部隊、ミサイルで空、海からの侵攻を防ぐ地対艦誘導弾部隊、地対空誘導弾部隊で、500~600人規模。隊員宿舎の建設も予定されている。
石垣島への陸自配備計画は、防衛省による南西諸島防衛強化の一環。奄美、宮古、与那国の駐屯地建設と並行して進められ、石垣島以外では配備が完了している。