政府は家計への支援として現金や商品券の給付を検討しているようだが、まだはっきりしない。
現金給付の対象を、新型コロナウイルスの影響で収入が減少した世帯に限定する案もあるようだ。だが、所得制限などで支給範囲を狭くすればするほど、景気浮揚効果は小さくなる。
現金給付の単位を1人あたりではなく1世帯あたりにしてしまうと、家族が多い世帯ほど実質的に受け取る金額が少なくなってしまう。これでは子育て支援の効果も薄い。
現金給付をするなら全国民一律に、少なくとも1人10万円以上の規模が望ましいのではないか。現金が不要な高額所得者は給付を返上できる仕組みがあればよい。
商品券なら期限付きにして、人の移動が制限されている現状を踏まえ、ネット販売などにも使えるよう工夫すれば効果が出るだろう。
米国は国内総生産(GDP)の約1割に当たる2兆ドル(約222兆円)規模の経済対策を計画しており、家計への現金給付や企業支援に取り組む。支給額は一人10万円規模になるようだ。米国に比べ、日本の議論は大胆さを欠くように感じられる。