毎年旧暦3月3日に大浜村の英傑(えいけつ)、オヤケアカハチの遺徳を偲(しの)び、郷土の偉人として顕彰する「アカハチ慰霊祭」(主催・大浜公民館)が26日午前、石垣市の崎原公園内にあるオヤケ赤蜂之碑前で開催された。中国武漢から感染が拡大した新型コロナウイルスの影響で、大浜小学校の新6年生や地域住民らの参列は自粛。公民館役員11人と神司3人のみの慰霊祭となった。
式典では例年通り、色鮮やかな花々や果物などが碑に供えられ、参列者は神司と共に遺徳を偲んだが、小学生にオヤケアカハチの業績を伝える講話はなく、アカハチ行進曲の合唱も少人数での実施となった。
市自治公民館連絡協議会からの自粛要請もあったが、上間祐司館長はあいさつで「大浜住民は小さい頃からアカハチの精神を教えられている。慰霊祭を中止するわけにはいかなかった」と説明。
オヤケアカハチは中世沖縄の八重山地方の首長で、首里王府への貢租を拒否して反旗を翻しており、「琉球王朝からは逆賊とされたが、我々にとっては島民解放のために立ち上がった地域の英雄、八重山全体の英雄だという位置付け」と、慰霊祭の意義を改めて強調した。
慰霊祭の数日後に毎年行われる「アカハチ祭り」の中止が決定したことについて、「状況次第だが、祭りに代わる催し物を秋口頃にできたら」と話した。